型物の話③「かたつむり」「マウス」

 平面型物の新スタイルは、平成元年頃にさかのぼります。
ある植物が、ヒントとなって平面型物の新技法が生まれました。
 当時は、私どもの花火も日本からの輸出花火として主にアメリカに向けて輸出されておりました。主に打ち揚げの少ない冬期間の仕事です。 米国の有名テーマパークの花火を請け負っている花火会社から、そこのメインキャラクターの花火のオーダーが入りました。しかし、当時は全く制作の創造がつかず、お断りしました。でも、もし、あんな形が夜空に突如として現れたら、どんなに楽しいだろうな?と思っておりました。
 それからある程度時間が経って、先のヒントに出会うのです。
そして、日本のそのテーマパークに行く機会を得、3つのリングで抽象的に描かれた「マウス」型のデザインを目にすることになったのです。「なるほど、これだけでいいのか!」
 その年は、渦巻型のデザインで「かたつむり」、色違いの3つの輪で「Mマウス」を編み出し、7月の隅田川花火コンクールで、「紫陽花のかたつむりの詩」優勝、大曲で「人気アニメフェスティバル」で準優勝、土浦でも「レッツゴー! Mマウス」で準優勝、翌平成2年、「紫陽花にかたつむりの詩」で、大曲、土浦で優勝を頂くことになりました。
 土浦の「紫陽花にかたつむりの詩」は、「これはいける!」と、試作第一号で手応えを感じた作品でした。1発の花火の中に、かたつむり模様と 紫陽花千輪を時間差で入れ込んだ作品です。